師匠、師匠!最近、ぼくのうんちに白い虫みたいなのがくっついているにゃ!気持ち悪いにゃ…
うーむ、それは困ったにゃ。もしかすると、寄生虫かもしれないにゃ。
寄生虫って、なんにゃ?
寄生虫とは、わしら猫の体内に住みついて、栄養を奪ったり病気を引き起こしたりする悪い虫のことにゃ。
回虫や条虫、鉤虫など、様々な種類がいるにゃ。
えーっ、こわい!ぼくも寄生虫に感染しちゃったのかにゃ?
心配しなくていいにゃ。寄生虫には、定期的な駆虫薬を飲ませることで予防できるにゃ。
それにもし感染してしまっても、薬で治療できるからにゃ。
元野良の猫をおうちに迎え入れたとき、まず健康診断をすることはとても大切です。
その中でも猫に潜む寄生虫について解説いたします。
内部寄生虫?
猫ちゃんに潜む寄生虫には大きく分けて2種類、ノミマダニなど体の外に寄生する外部寄生虫と回虫、条虫など体の中に寄生する内部寄生虫がいます。
外部寄生虫は人の目に見えるサイズものがほとんど(それでも1mm以下の寄生虫も多くいます)で気づきやすいことが多いです。
内部寄生虫は前述の通り体の中に寄生しており、うんちに混ざって体の外に排出され始めて気づくことがあります。
体力も免疫力も高い成猫では症状が出ない場合もありますが、免疫の低い子猫や高齢の猫など、場合によっては命に係わる少々が出ることもあります。
寄生を発見したら一日でも早く取り除いてあげるべきでしょう。
内部寄生虫の種類
内部寄生虫には様々な種類の寄生虫がおり、サイズや形状、感染経路なども様々です。
代表的な例を挙げると
- 回虫
- 鉤虫
- 鞭虫
- 瓜実条虫
- 猫条虫
- 原虫
などがいます。
上記に代表されるこれらの寄生虫は消化器系に寄生し、便とともに体外へ体の一部や卵が排出され、発覚することが多くあります。
猫ちゃんのうんちから白い糸状のものやうねうねしたものが出てきた場合、すぐに病院を受診するようにしましょう。
また、内部寄生虫には消火器系以外に寄生するものもいるため、必ずしもうんちに混じりっ気がないから安心というわけではありません。
もし寄生されたら、その症状とは
寄生虫に寄生されている多くの場合、様々な症状が出ることがあります。
嘔吐、下痢、毛艶が悪い、元気がない、食欲がない、痩せる、おなかだけ膨れる、うんちがどす黒いなどの症状が出ます。
もちろん、一つだけしか症状が出ない子もいれば、複数の症状が出る子もいます。
感染経路としては糞尿による接触感染が多くを占めますが、母猫が寄生されており子供に胎盤を通して感染が拡大することもあります。
症状や重症度はその子次第です。少しでも違和感を感じたら動物病院で診察を受けるようにしましょう。
気を付けたい人獣共通感染
ものによっては猫から人へ感染する寄生虫もいます。
口移しで食べ物をあげたり、糞便を処理した手をよく洗わずに過ごすなどで口、肛門の周り、糞便に付着した寄生虫の卵が体内に入ることで感染することがあります。
特に小さなお子様のいるご家庭では糞便の処理などは気を付けましょう。
寄生が発覚!その対処法
寄生虫の感染が疑われる・発覚した場合、まずは病院での正しい診察を受けましょう。
病院では多くは糞便を顕微鏡で見るなどの手段で感染しているか確認します。
この時留意いただきたいのが、一度検査して卵や寄生虫の体の一部が見つからなかったから大丈夫なのではなく、偶然採取した検体に含まれていなかったなどたまたま発見されないこともあります。
疑いが出た場合、複数回猫ちゃんのうんちを採取し検査する必要があります。
治療方法
治療方法の多くは虫下しといわれる駆虫薬を摂取します。
飲み薬で処方されることが多く、ものによっては皮下注射による処方もあります。
症状が出ている場合、対症療法として水分を取らせてあげたり下痢止めや吐き止めを処方されることもあります。
まずは今の症状に合わせて体のコンディションを整えてあげることと、体の中の虫をやっつける治療の二つを平行して行います。
症状や原因に正しく対応するためにも少しでも違和感を感じたら病院にかかるようにしましょう。